ええ、お盆です。
というわけで、家族4人で母方のおじい様の墓参りに行く事になりました。
おじい様は母が高校生の頃に亡くなったらしく、私は直接会った事はないのですが、写真を見る限り、かなり人が良かったに違いない。
目を狐のように細めて、しゃくれた顎で本当に気持ち良さそうに笑っているおじい様は、私じゃなくてもアントニオ猪木に似てると思うに違いない。
躾の厳しい人だったそうだが、まだ高校生の母に何度も言い聞かせるほど、孫の誕生を願っていたらしい。
待ちわびた孫がコレで、あの世のおじい様は一体どう思っている事か((
おじい様の墓石を掃除しながら、母はおじい様について話し始めた。
9割以上が、孫が出来た時の話だ。
あそこに連れて行きたがっていたとか、一緒にお風呂に入りたがっていたとか。
話を聞けば聞くほど、惜しい。
本当にじじ馬鹿炸裂する可能性が極大だったらしく、生きていれば私はどこぞの国のお姫様待遇だったようだ。
うん、素直に一目会ってみたかった。
さて、墓石も綺麗になり、お供え物を準備する。
で、問題が起こった。
おじい様に供える酒のための杯を、家に置いてきてしまったのである。
「あーまあいいか」
そう言って、母はキャップを開けた高級純米酒を、そのまま墓前に置いた。
…仕方がないとはいえ、自分の父親に、酒をラッパ飲みさせる気か。
手を合わせようという話になった。
で、ここでも問題が起こった。
馬鹿な母と妹が、ここぞとばかりにやらかしたのである。
「ちゃんとしたやり方って、あったよね?」
そう言いだした母は、何を思ったか、力の限り両手をすり合わせ始めた。
母よ、退魔でもするつもりか。
仏教には詳しくないので、私にはよくわからないが、そのやり方は絶対『ちゃんとしたやり方』ではないと思う。
てゆか、墓参りってもっと静かにやるもんだろ、静かに((
なんとか母を落ちつかせ、今度は妹を見る。
お馬鹿な妹は、両手を組み合わせていた。
お前はクリスチャンかΣ!?
…おじい様は仏教徒である。
人前でなくてよかった、と思ったのは絶対私だけじゃない。
父の表情を見ていると、ひしひしと伝わってきた(
父が『ちゃんとしたやり方』を母と妹に教えていると、母はへらへら笑ってこう言った。
「まあまあ、細かい事気にする人じゃないから」
じゃあなんで『ちゃんとしたやり方』とか言いだした?((
その場のノリで適当にどーでもいい発言をするのはやめてほしい、切実に。
おじい様。
貴方の娘はほんとにユニークな人になりました。
待ちわびた孫より、自分の娘見てた方が、楽しいかもしれないですよ。
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